大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(ネ)2413号 判決

以上認定するところによれば、控訴会社は本件契約による債務を履行せず被控訴会社はこれを理由として解除したことになるのである。さすれば控訴会社はその不履行によつて被控訴会社に生じた損害を賠償する義務があるのは当然である。被控訴会社では控訴会社が約定のコプラを引渡さないので別途に入手した分を以て転売先に対する履行に当てたことは前示の通りである。この別途入手の分は昭和二九年二月積出のもので当時一般に一トン二五〇弗程度の相場であつたことは前記勝海二郎の証言、当裁判所が成立を認める甲第一四号証で認めることができるから、被控訴会社が別途入手した分の価格は当時相当の相場であつたとしなければならない。控訴会社は、本件契約のコプラが他に転売せられてあることは当初から知つていたことであるから、控訴会社が履行しない場合には被控訴会社も転売先への履行に困難を来す事情は判つていたと認められる。この事情の下において、当時の相当の相場のコプラを被控訴人が取得して転売先に供給したことにより被控訴会社に生じた損害は控訴会社として賠償の責任があるものとするを相当とする。若し控訴人が契約を履行したならば被控訴会社は控訴会社に対し一トン当り二三五弗の代価を支払えば済んだものを、一トン当り二五〇弗の代金を支払はねばならなかつたのであるから、一トンについて一五弗、契約の全量五〇〇トンについて七五〇〇弗は被控訴人の余計に負担した損害であると認められる。故にその邦貨に換算した金二七〇万円の賠償とこの額に対し訴状送達の翌日たる昭和二九年一一月一九日から完済に至る迄商事法定利率年六分の割合による損害金を求める被控訴人の請求は理由がある。

(角村 菊池 土肥原)

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